
まちづくりの一環で商業施設を誘致
大阪市東住吉区の「矢田南部地域まちづくり」において、かつて温泉施設ラスパOSAKAが存在した跡地に、ディスカウントストアのダイレックスが出店するという。
1999年に開業したラスパOSAKAは、地上5階・地下1階の巨大温浴施設。大阪市が約120億円を費やした肝入りの施設だったが、当初から経営不振が続き、2010年をもって閉鎖された。
その後、大阪市東住吉区が実施した「東住吉区矢田南部地域における開発条件付き市有不動産売却」に関する開発事業予定者として、プロポーザルの結果、日本GLP株式会社が設立した「GLP大阪市東住吉区まちづくり特定目的会社」に決定。2021年6月、大阪市と特定目的会社は土地売却に関する基本協定を締結した。

まちづくりのプロジェクトでは、活発な事業活動と良好な住環境の両立を実現すべく、矢田南部地域に物流施設や商業施設、公園やスポーツ施設などの整備を計画。今回、その一環でダイレックスが誘致される運びとなった。
誘致されるダイレックスとは

佐賀県に本社を置くダイレックスは、郊外の主要幹線道路に面したロードサイド型店舗が基本のディスカウントストア。食品・日用品・衣類から、家電製品やスポーツ・レジャー用品、化粧品など、約25,000品目をそろえる。地域のニーズに合った地域密着型の店舗だ。
また、ダイレックスの出店条件は、「店舗を中心とした半径3~5㎞の商圏に3万人が住居」「チラシ広告1.5万枚以上の配布が可能」など、立地・商圏・世帯数・人口密度といった細かな審査をパスしたエリアのみに出店するという。
出店エリアは、南は沖縄から、北は新潟まで全国展開。大阪府内ではこれまで高槻市、八尾市、堺市、泉大津市、岸和田市、泉佐野市に出店しているが、大阪市内では初の店舗となる。
ちなみに、大阪市内初の矢田南店のオープンは、2025年7月上旬予定となっている。
今後も続く“南の玄関口”の再開発
まちづくりの舞台となっている矢田南部地域は、いわば大阪市の“南の玄関口”。大阪市生野区から大阪狭山市までをつなぐ府道26号線が通り、阪神高速大和川線などにも隣接するなど、車でのアクセスもしやすいエリアだ。大和川を南側に渡れば松原市や堺市ということもあって、商業施設が完成すれば大阪市外からの集客も見込めるだろう。

そのほか、景気変動の影響を受けにくい大型物流センター、地域住民が寛ぎ楽しめる公園・スポーツ施設の整備など、地域経済の発展や住環境のさらなる整備も期待される。このまちづくりプロジェクトの動きから今後も目が離せない。