1stERA営業マンの角江です。今回のブログは税金についてです。
1.購入時の仲介手数料が経費になると思っている
不動産購入時に支払った仲介手数料は経費ではありません。資産に計上するものです。
購入した減価償却資産の取得価額には、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税などその資産の購入のために要した費用も含まれるとされています。
仲介手数料は数百万円になることもあります。この金額が経費にならないことで、想定よりも赤字が少なくなっていることが多いのです。
2.減価償却費を大きく見積もっている
建物は減価償却して経費になりますが、土地は減価償却の対象ではありません。
区分マンションを購入された方が購入代金の全額を建物に計上している方がいますが、誤りです。
区分マンションも土地があるので、購入金額を土地と建物で区分しなければなりません。
また、売買契約書に土地と建物の内訳の記載がない場合には、土地と建物の固定資産税評価額で按分することが一般的です。
このとき固定資産税評価額ではなく、課税標準額を使わないように注意をしてください。
土地の固定資産税課税標準額とは、評価額に住宅用の軽減(6分の1に減額してくれる特例)などの調整された金額です。
評価額よりも小さい金額になります。この金額を使うと土地の金額が小さくなって、建物金額が大きくなります。
そのまま減価償却すると経費が過大となってしまいます。
3.一括で払った火災保険料を全額経費にしている
火災保険は長期で加入することがあります。5年一括で支払った場合、全額を経費にできません。
期間按分して、その年に対応する金額のみ経費にします。
例えば、3月に60万円を5年一括払いした場合、
60万円×10カ月(3~12月までの期間)/60カ月(5年)=10万円
を経費計上します。
なお、火災保険を1年払いした場合には、短期前払費用に該当して、全額経費にすることができます。
4.中古の耐用年数の計算を誤っている
中古の耐用年数は、法定耐用年数-経過年数ではありません。
「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2」で計算します。
経過年数の20%が上乗せされるのです。
年数を誤ると、減価償却した場合の1年あたりの経費になる金額が異なる(長い方が小さくなる)ことになります。
なお、経過年数が法定耐用年数を超えている場合には、「法定耐用年数×0.2」で計算をします。
5.修繕した金額が資本的支出になった
修繕した金額は全額経費ならない場合があります。価値が上がるもの、耐用年数が延びる修繕は、資本的支出として資産計上することになります。
多額の費用でリノベーションをした場合などは、経費になる金額が少なくなることがあるのです。
また、古くなったキッチンなどの設備を新しいものに取り替えた場合も資産計上が原則です。
取り替えは、「建物の各住宅を形成していた一部分の取壊し・廃棄と新設が同時に行われたとみるべきもの」とされているからです。
6.青色申告特別控除が赤字でも控除できると思っていた
青色申告をすることで、青色申告特別控除が受けられます。
1室の賃貸からでも10万円の特別控除が受けられます。
事業的規模(おおむね5棟10室以上)の賃貸経営をしている方は、複式簿記による帳簿をつけて、電子申告することによって65万円の控除が受けられます。
しかし、赤字の場合には、これらの特別控除が適用できません。
これらの控除は、黒字の範囲内でしか控除ができないのです。
これまで65万円の控除の恩恵を受けていた方が赤字になると、この恩恵がないために赤字が少ないと感じることがあります。
7.土地負債利子の損益通算の規制を考えていなかった
不動産所得については、赤字になった場合には、「土地取得にかかる借入金の利息については、損益通算の対象にはならない」という規定があります。
土地の借入金の利息について、経費にならないということではなく、経費にはなるけれども、赤字になった場合には、赤字分から土地の借入金の利息を控除した金額が、損益通算の対象になるということです。
例えば、下の例で不動産所得がマイナス293万円になった場合、経費計上した借入金利息100万円のうち、土地にかかる利息部分が50万円とすると、293万円-50万円=243万円のみが損益通算の対象になります。
赤字になっても、給与から控除できる金額が少なくなるため還付金額が少なくなるのです。
これらの税金の規定を知らずに、不動産投資することで税金が還付されると思って、安易に不動産投資をされる方が多いように思います。
甘い税金の還付を見込むよりも健全な不動産投資を心がけていきましょう。
是非、ご参考になれば幸いです。
#不動産投資#大阪#関西#不動産会社#収益#未公開#限定#信頼#銀行紹介#資産形成#投資
#不動産経営