いつもご愛読ありがとうございます。1stERA角江です。どこまで進化するのでしょう?大阪駅は?
西日本最大のターミナル駅であるJR大阪駅。JR各線のほか、私鉄や地下鉄と接続し、関西一円へのアクセス拠点となっている。新大阪駅へはJRで一駅(約5分)と近く、新幹線との乗り換えも便利だ。
そんなJR大阪駅に直結する『サウスゲートビルディング』が、大規模リニューアルに向けて動き出した。

開業から約40年、大阪駅南口の顔として親しまれてきた同ビルが、さらなる発展を目指して生まれ変わる。
今回のリニューアルでは、地下2階から15階の商業エリアを全面刷新し、大阪駅周辺のさらなる回遊性向上と活性化を図る。
2025年秋から約4年をかけて段階的に改装を実施し、2029年のグランドオープンを目指す。
大阪駅直結の商業施設、サウスゲートビルディング
サウスゲートビルディングは、地上27階、地下4階建ての建物で、敷地面積は約10,075平方メートル、延床面積は約171,000平方メートルを誇る。
JR大阪駅を中心に広がる「大阪ステーションシティ」の南館に位置し、JR大阪駅と直結した利便性の高さが特徴だ。

40年以上の歴史を刻む大阪の玄関口
1983年、当時の国鉄(現・JR西日本)は、大阪駅に直結する都市型複合施設「アクティ大阪」を開業。核テナントの大丸梅田店や大阪ターミナルホテル(現・ホテルグランヴィア大阪)とともに、大阪の主要施設として発展してきた。

2011年には南側に地上15階建ての増築工事が行われ、「サウスゲートビルディング」としてリニューアルオープン。こうして、40年以上にわたり大阪の玄関口としての役割を担ってきた。
しかし、2024年9月のうめきた2期エリアの先行まちびらきをはじめ、大阪駅周辺に個性豊かな新エリアが続々と誕生。エリアの発展を背景に、開業以来初となる大規模リニューアルの計画が始動することとなった。
3社連携による大規模再編の展開と各社の戦略と展開方針
本リニューアルは、JR西日本ステーションシティ、大丸松坂屋百貨店、JR西日本SC開発の3社が連携して進める。
大阪駅周辺の開発実績を持つJR西日本ステーションシティは、2024年10月に「大阪ターミナルビル株式会社」から社名を変更し、”まちづくり”を重視する会社として新たなスタートを切っている。
大丸松坂屋百貨店の親会社であるJ.フロントリテイリングは、中期経営計画において、重点7都市での「エリアの価値最大化」を掲げており、今回の再編はその取り組みの一環となる。

大阪駅南北の回遊性向上へ
現在、地下2階から15階まで営業している大丸梅田店は、リニューアル後、地下2階~9階に売場を集約し、より効率的な店舗展開を図る。
大丸梅田店が撤退した後の10階~15階については、JR西日本SC開発が新たな商業施設を開発する計画だ。
北側のノースゲートビルディングで「ルクア大阪」を運営している同社は、ルクア大阪との買い回りや相乗効果を意識した新しいショッピングセンターを目指す。
南北の施設を一体的に運営することで、幅広い層の集客と回遊性の向上を図る狙いだ。

同社は、ファミリー層や今後増加が見込まれるインバウンド需要の取り込みを強化するため、魅力的な専門店を集積させる方針だ。
具体的な出店テナントは、グランドオープンに向けて今後決定していくという。
大阪駅エリアで進む新施設開業ラッシュ
大阪ステーションシティは、西エリアに「JPタワー大阪」(地上39階・地下3階建て)、「イノゲート大阪」(地上23階・地下1階)の2施設が2024年に開業したことに続き、2025年春には都市型ショッピングセンター「うめきたグリーンプレイス」の開業を予定している。

さらに2026年以降には、ノースゲートビルディングの「ルクア大阪」でもリニューアルを計画しており、大阪駅エリア全体の魅力向上が着実に進められている。
今回のサウスゲートビルディングの全面刷新も、この一連の開発計画の一つとして、商業エリアのさらなる活性化を目指している。
既存の「グランフロント大阪」との相乗効果も期待され、新たなテナント誘致や最新のショッピング体験の導入により、大阪全体の商業エリアの魅力を底上げすることが期待される。