お世話になっております、1stERAの角江です。
今回は銀行員がお客様より決算書など受け取ってからの行動などを、例として書かせていただきました。
銀行員が取引先から決算書を受け取ったら、まずは決算書をシステム・データベースに登録します。登録といっても、事務センターに送れば勝手にスキャナーなどでデータ化され、独自の計算式でその会社の財務状況が、スコアリング(点数付け)されます。
このスコアリングには、流動比率とかインスタントカバレッジレシオといったちょっと難しい財務分析指標や業界平均の数字、過去数年分の決算などが分析に使われます。業種などによりそれぞれの基準でスコアリングが行われてA1~F1のように評価が下されます。
「銀行員は財務知識に精通してる」と思っている人も多いと思いますが、このようにコンピュータが自動でスコアリングしてくれるので、仕事しているうえでは財務分析はあまり必要じゃなかったりします。
(社内で財務分析の研修やテスト等があるので、普通の人よりくわしいのは間違いありません)
与信額がそこまで大きくなければ、僕がいた銀行では、このスコアリングだけで決算書の査定作業はほとんど完了です。後に説明する、実質的な自己資本(純資産)の算定のための格付作業は行われないので、人間は手をあまり動かさずに終わります。リスクの少ない取引先は、決算書表面の数字で、簡易的な審査をしているイメージですね。
保証協会が付いている融資は、7割~10割を、協会が万一の時にカバーしてくれるので、銀行側のリスクとしては30%以下となります。したがって、借入が保証協会のみの場合などは、この自動スコアリングだけでの融資になることが多かったように思います。
与信額が小さい・保証協会の借入だけの場合、決算書を担当者に渡した以降も、特に込み入った質問をされなかったという投資家の方も多いのではないでしょうか。これはリスクが小さいためこのように簡易的な点検のみで、決算書の審査が終わっているということです。
一方で、借入が増えて、与信額がある程度大きくなってくると(この辺りは銀行ごとに基準があるかと思います)、取引先企業の財務状況や経営状況をより精緻に分析し、格付と呼ばれる評価作業を行います。
これは、融資の際のリスクを判断するために行われる重要な作業です。取引先のリスク判断だけでなく、融資の際に使える金利や期間の条件もこの格付に左右されるようになります。格付がよくなれば、融資可能な総額や支店内決裁の額なども増えます。
これまで決算書について特に深堀りされなかったのに、次年度から、いきなりくわしい説明を求められることになった経験がある方は、怪しく思われているというよりは、自動スコアリング → 格付対象先 にステージが1個アップしているのかもしれません。
基本的には、この格付を良くしていくことが「決算書を磨く」行為であると僕自身は認識しています。格付が上がれば、金利も安くなるし融資の金額も伸びます。このようにして銀行の融資判断などがくだされます。(あくまで参考程度に)
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